設計事務所に設計を依頼するということ

建物が建つまでに大きく分けて3種類の人が関わります。
1「施主」 2「設計者」 3「施工者」 です。
ハウスメーカーや地元工務店などは2と3がくっついたものとなり、実質的には2者の関係になります。
設計事務所に設計を依頼する場合、2と3の間に利害関係がなく、1〜3が全て独立した3者の関係となります。
2と3が独立していることの大きな利点は、適正コストと性能確保です。見積り調整でも施工現場でも、利害関係のない専門家同士がチェックし合うことにより、コストに見合った性能を追求する体制です。

設計事務所に設計を依頼する大きな利点は、オリジナルの空間やデザイン、性能を得られるということです。既製品の売買ではなく、施主の要望・敷地条件・構造・工法・仕上げ・予算等をトータルに考慮し1から考えることで、オリジナルをつくりあげます。これは設計者にとってはもちろん、施主にとっても設計段階から参加するため、大きな労力が必要となります。しかしこれによって、一品生産、個別解ゆえの施主の希望に限りなく近づけた建築(住空間)が得られるといえます。

敷地選びの段階から設計事務所に相談するのもいいことだと考えます。
整形の土地に比べ狭小地や変形地、旗竿地、採光の確保が難しい土地は、安価です。設計事務所の計画する建築は、敷地形状、法規制にそって自由なかたち、空間を計画することが可能です。土地購入価格を低く抑え、建築に割り当てることは、豊かな住空間の確保という点からも選択肢の一つと考えられます。

施工者にもいろいろなスタイルの会社がありますが、上記ような体制において適切な施工者というのは限られてきます。私たちが描く図面は一般的な住宅でも60枚以上になり、それを読み込んで理解し実現できなくてはなりません。良い空間のためにシビアな寸法や工夫を要求しますので、計画性や現場での指揮力も必要とされます。また優秀な施工者であれば、時には現場に関わる人ならではの適切なアイデアやアドバイスを出してくれることもあります。設計事務所の設計を実現するための施工者選びでは、見積額ももちろん参考にしますが、ものづくりに情熱を注ぐことができるかどうかも大切な判断基準となってきます。

建築行為は「施主」「設計者」「施工者」の協力関係によって実現しますので、できるだけ率直なおつきあいができれば、と考えております。